羽毛の脱落−その原因と治療


タイトルロゴ 鳥の羽毛の脱落には様々な要因があり、最初にその原因を把握してから治療にあたります。
 鳥は人間に病床を伝える手段をいくつも持っていません。しかしその数少ない行動の影には無数ともいえる病気が潜んでいるのかもしれないのです。つまり、羽毛が抜け落ちたり自分で抜き始めたりする背景には、獣医さんによる専門的な診断でしか発見されない病気があるということです。獣医さんは飼い主から住環境を聞いたり、病歴を確かめたりしながら検査し、その原因と処方を見つけます。

ウィルス性の病気

 ポリオーマウイルス、PBFD(オウム・インコ類の嘴−羽毛の病気)は羽毛の脱落と関係ある深刻な病気です。まず、ウィルスが原因と考えられるならば、それを特定する検査をします。その前の段階で早い時期に予防接種を受けておくことが大事であることは言うまでもありません。ウィルスを持った鳥との接触は致命的な結果につながるので、予防は非常に大切で有効な手段なのです。

寄 生 虫

 Knemidokoptes(うろこ状の顔・うろこ状の足)は皮膚の寄生虫でペットバードからよく見つかります。セキセイインコやカナリアが影響を受けやすく、くちばしの基部にある蝋膜の組織が厚くなる徴候があります。その症状が明らかにある種の生物体(寄生虫)がいることを示していても、顕微鏡で確認してから治療にあたります。治療薬は市販されており、ペットショップなどで買えますが、治療にはある程度の時間がかかり、その間羽毛にも影響が出ます。適切に処方された薬を服用することを勧めます。

 赤ダニ、羽毛ダニ、シラミもまた鳥の外部に寄生し、炎症の原因となる者達です。
羽毛のトラブルにもまれに寄生虫が関わっています。もし寄生虫が疑われるならば、獣医さんにその診断と治療を確認してください。

 ジアルジア(ランブル鞭毛虫)は原虫で鳥の自虐的行為の原因と関係があります。この腸管寄生虫はフンを顕微鏡で観察することで確認でき、検体は動物病院で回収されます。

細菌性のもの-真菌

 ブドウ状菌やシュードモナスは羽毛抜き行為につながる皮膚炎の原因となる細菌です。獣医さんは皮膚を培養し、菌を確認します。
コウジカビ属やカンジダ症も皮膚炎となる真菌病で、その識別には皮膚の一部を削り、培養する皮膚科学的な作業を必要とします。

栄養的な原因

 食事不足は皮膚や羽毛の障害の一因となります。特にビタミンA不足は羽毛の障害に大きく関係し、タンパク質の過不足は正常な羽毛の抜け替わりに影響します。獣医さんはこれらの潜在的な問題を防ぎ修正する為、鳥のダイエットの正しい方法と栄養補給をアドバイスしてくれます

おかしな行動の原因

 自虐的行為(羽むしりや皮膚をつつく行為)の原因は何でしょうか。
 野生の鳥はお互いのため群れ、交尾します。人間に飼われている鳥は人間との交わり等で心の空白を埋めますが、ホルモン発育状態によって誘発される優位関係、しつけ/繁殖の欲求不満、倦怠、なわばり意識、巣荒らし等も起こり得ます。もちろん捕獲環境に満足する鳥もいます。

 同じ屋根の下に住む他のペットからの度重なるプレッシャーもストレスへ繋がります。このプレッシャーは鳥の中で妄想を産み、悪癖へと変わり、羽毛にダメージを与えたり抜いたりするような「欲求不満による毛づくろい」の原因となります。獣医さんは環境を変えるように勧めたり、ホルモン治療を試みたりします。

仲間からの攻撃

 同じ檻の仲間が羽毛のダメージの加害者となっているようなら、被害を受けている鳥を最低6週間(羽毛が回復するまで)は隔離してください。もし一部のみ抜け落ちているのならば、その部分は代謝期間内に回復できないでしょう。長く続くようならば、隔離し続けることも必要です。

他に考えられるもの

  •  皮膚炎の外因は檻にあたったり、虫刺されによるものや、軟膏の使用ミス、不適当な羽毛刈り等が考えられます。
  •  外界からの影響(スプレー式のもの、煙草の煙、有害な物質)もまた羽毛の脱落の原因です。他のペット(犬、猫、齧歯類)の攻撃も考えられます。
  •  慢性病(肝臓、腎臓、GI、呼吸疾患、アテローム性動脈硬化症)もストレスにつながり、羽毛障害や自虐行為に現れることがあります。羽毛の胞嚢、腫瘍、障害も羽毛抜きにつながるストレスを引き起こします。

顔が汚れてきたら

 鳥の顔が急に汚くなって、嘴や目の周りの羽毛が抜けはじめたら、まず餌やりの環境に注意してみましょう。餌を入れる容器の深さ等ははもちろん、鳥は食べ残しや檻の外に落ちた餌を食べようとして所構わず顔を突っ込みます。そういった要因を考えても原因がわからないときは吐き戻しなども考えられますので、獣医さんに相談してみてください。

予 防

 鳥の生活と健康のために、空気中の有害物質(煙草を含む)、刺激物、攻撃的な仲間、他のペット、これらから守ってあげることを忘れてはいけません。
最終的には、定期検診がもっとも有効な手段であることは言うまでもありません。鳥は自分の不快感や病気を隠す傾向があり、体調を簡単に判断させてくれません。羽毛になんらなかのサインを見つける前に、獣医さんによる完璧な検査で内部疾患や寄生虫、組織疾患を早期発見し治療することが望まれます。

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